被害者にならない為の知識-精神薬を学ぶ-

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大うつ病の治療ガイドライン2012の解説

内容は別として、なぜこのようなガイドラインが作成されず放置されていたのかが不思議である。物事の良し悪しを判断したり、議論するためにはまず基準が必要である。たとえそれがデタラメであったとしても、基準が無いのが一番良くない。其の意味でこうしたガイドラインは必要であるし、今回の発表は歓迎できる。
薬物治療の内容については、いくつかの進歩がみられる。多剤やBZの長期処方、バルビツール、軽症うつにおける薬物治療の制限などである。DSMにそった診断は頂けないがもしこれに沿って診断をしたならば3分治療など不可能である。結局、取りあえず投薬が改善されず、患者が多すぎてやっている時間がないとか診療報酬制度が悪いから経営が成り立たないなどという患者不在の言い訳を繰り返すことになるのだろう。学会には、今後の
ガイドライン改訂の努力と同時に、いかにしてガイドラインを守らせるかという努力が不可欠である。
また、このガイドライン作成者の中には、過去において、このガイドラインからも逸脱した治療を推進してきた医師が含まれている。反省と応分の責任を取って頂きたい。
精神医療被害の多くは、製薬会社の薬の販売戦略により、病気の敷居を下げ薬物の副作用により引き起こされているものが殆どである。広げ過ぎた間口を狭める必要がある。このガイドラインの最大の欠点は、薬物治療の失敗による薬剤性精神疾患にたいする注意喚起がないこと、間口を狭めることが含まれていない事である。

〇序文における重要な記述

1.専門医ならば大丈夫

ガイドラインでは、専門医以外の医師がこのガイドラインを読む場合の注意が強調されている。最近、社会問題化した多剤大量処方やデタラメ処方の言い訳によく聞かれる、
「多剤大量処方やデタラメ処方が専門知識の無い一部の医師により行われている。」
という主張にそった記述である。確かにここで示されている薬の処方を厳守すれば被害が減少することは明白である。予てから我々が主張してきた悪処方の幾つかは否定されている。これは歓迎すべきことである。しかし、内容を良く吟味すると、併存障害を有する場合は除外するとか、適応外処方を広く容認するなど、デタラメ処方を否認しながらも医師の裁量を容認する内容となっている。責任逃れの意思が強く読み取れる。以前の、多剤大
量処方の弊害を認めていなかったことに比べれば進歩であるが、残念ながらこのガイドラインの作成委員の多くもまた多剤大量処方や根拠のない適応外処方を乱発している。専門医がガイドラインに記述されているような治療を行っているとはとても思えない。
 しかしながら、こうしたガイドラインが示されたことは、我々、患者側からみれば、最低限の治療指針が示されたと理解すべきである。少なくともこのガイドラインに沿わない治療を行うには、さらに厳重な手続きが必要という事である。訴訟にまで発展している被害事例では、このガイドラインに示された治療手順・投薬は殆ど守られていない。

2.DSMⅣの診断基準を採用する

このガイドラインはDSMⅣを前提としたものである。DSMは、症候群の定義であり、そのまま病気の定義ではない。この日本では、DSMの症候群の定義がそのまま病気の定義となり、投薬に繋がるという根本的な間違いを犯しているが、このガイドラインにおいても、その間違いを踏襲している。このガイドラインでは、SAD(社会不安)をうつと誤診することを排することは出来ない。つまり、単なる不安をうつとして薬物治療してし
まう危険を排除できないのである。これはこのガイドライン最大の欠点である。

3.適応障害や気分変調症については診断も治療法も確立していない

つまり適応障害、気分変調症の治療はエビデンスが無い治療と明言している。

4.ガイドラインには、近年の薬剤に比べ古い薬剤にはエビデンスが乏しい

これは医薬品添付文書の情報量を見ても明らかである。さらにエビデンスには様々なバイアスがかかっていることに注意を促している。この記述は、裏返せば、現在の臨床の現場では、バイアスのかかったエビデンスに沿った、又はエビデンスに乏しい治療が蔓延していることを学会が認めたに等しい。

5.治療法はエビデンスに準拠して推奨したもので、かならずしも保険適応の有無を考慮していない

この記述は、現在の精神医療の臨床が保険適応のない適応外処方が蔓延っている証左である。適応外処方をする場合は、丁寧なインフォームドコンセントとエビデンスの提示を必要とするとしている。子供への投薬の殆どが適応外処方であることに留意されたい。

6.新型うつ病を否定

新型うつ病はマスコミによる造語として否定。

☆評価できる項目(まとめ)
・軽症うつ病における薬物療法を制限
・BZの長期処方、バルビタールを否定
・同種同効薬の多剤を否定、多剤大量処方を否定

★評価できない項目(まとめ)
・DSMを妄信的に採用、不安とうつの混同を除外出来ない。
・うつ病ではなく躁うつ病だったという近年流行の主張を擁護。
・診断とそれに応じた投薬という手順が守られない。
・エビデンスの無いECTを強く推奨
・エビデンスの無い抗精神病薬の増強療法を追認
・誤診/薬の副作用による薬剤性精神疾患が考慮されていない

〇大うつ病ガイドライン要約

詳しくはガイドライン本文を参照されたい。
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/0726.pdf
*は私のコメント。

〇うつ病治療計画:診断時に把握すべき情報のリスト

*このリストの最大の欠点は、薬の影響を排除していること。3分治療で行えるボリュームではもちろんない。

1.言い間違い・迂遠さの有無を確認
2.身長・体重・バイタルサイン(栄養状態含む)
3.一般神経学的所見(パーキンソン症状、不随意運動を含む)
4.既往歴-糖尿病・閉塞隅角緑内障の有無を確認
5.家族歴-精神疾患・自殺者の有無を含めて
6.現病歴-初発時期、再発時期、病相の期間、「切っ掛け」「悪化要因」、生活上の不都合(人間関係、仕事

、家計など)
7.生活歴-発達歴・学歴・職歴・結婚歴・飲酒歴・薬物使用歴を含めて
8.病前のパーソナリティ傾向-他者配慮性・対人過敏性・発揚性・循環性・気分反応性の有無
9.病前の適応状態-家庭、学校、職場などにおいて
10.睡眠の状態-夜間日中を含めた睡眠時間、いびき・日中の眠気の有無
11.意識障害・認知機能障害・知能の低下の有無
12. 女性患者の場合-妊娠の有無、月経周期に伴う気分変調、出産や閉経に伴う気分変動

*そもそも精神科医にこれらの要因をくみ取り判断する能力はあるか?
*これらの全てが薬剤の副作用で引き起こされている可能性をまず考慮すべきである。


〇うつ病治療計画:注意すべき兆候のリスト

1.自殺念慮・自殺企図の有無と程度
2.自傷行為・過量服薬の有無と状況
3.一般身体疾患による気分障害の除外
4.身体合併症・併用薬物の有無と状況
5.併存症(DSM Ⅳ-TRのⅠ軸・Ⅱ軸で)不安障害、発達障害(広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害)

、パーソナリティ障害
*これではなんでもあり
6.双極性混合状態(例・焦燥感の強いうつ状態、不機嫌な躁状態)
7.双極性うつ状態(例・若年発症、うつ病相の多さ、双極性障害の家族歴)
8.過去の(軽)躁状態(活動性の変化:例・いつもより活動的で調子が良いと感じた時期、普段より仕事がはかどった時期、より沢山アイデアが浮かんだ時期、生活歴の確認:例・職歴などの変化)
*うつ病誤診、双極性障害だったという誤診の現状を擁護
*これは病歴か、こんなもので躁鬱病診断されてはかなわない
9.精神病症状(例・気分に一致した微小妄想、気分に一致しない被害妄想・幻聴。若年層では統合失調症との鑑別)

〇軽症うつ病

全例に行うべき基礎的介入

・患者背景、病態の理解に努め、支持的精神療法と心理教育を行う

基礎的介入に加えて、必要に応じて選択される推奨治療
・新規抗うつ剤
・認知行動療法

*新規抗うつ剤の副作用に対する注意喚起が不十分。特に若年層に向けて。
*認知行動療法そのものにも重大な欠陥がある。それについては別途報告します。
*しかしながら本ガイドラインでの最大の収穫、本文では軽症うつ病への薬物療法の効果が疑問であることが明記

〇中等症・重症うつ病(精神病性の特徴を伴わないもの)

推奨される治療

・新規抗うつ薬
・TCA/nonTCA
・ECT

必要に応じて選択される推奨治療

・BZDの一時的な併用
・Li、T3/T4、気分安定薬による抗うつ効果増強療法
・AAPによる抗うつ効果増強療法
・EBPTの併用
*BZDの長期使用を否定
*非定型抗精神病薬との併用を容認、エビデンス不足
*電気ショックを容認、エビデンス不足

推奨されない治療
・BZDによる単剤治療
・スルピリドやAPPによる単剤療法
・中枢刺激薬
・バルビツール製剤(ベゲタミンを含む)
・精神療法単独による治療
・抗うつ剤の多剤併用、抗不安薬の多剤併用など、同一種類の向精神薬を合理性なく多剤併用すること
*覚せい剤系、バルビツールの使用を否定
*多剤大量処方を否定

〇精神病性うつ病
*この項目は全てエビデンス無、現行の治療行為を追認する内容
*私にはこの病気の定義が判らない

1.精神病性うつ病

推奨される治療
・抗うつ剤と抗精神病薬の併用
・修正型電気けいれん療法
・抗うつ剤単剤で治療開始し、効果不十分なら抗精神病薬を追加

2.緊張性症状を伴ううつ病

推奨される治療
・ベンゾジアゼピンの経口または非経口投与
・修正型電気けいれん療法
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  1. 2012/09/11(火) 17:00:56|
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