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統合失調症とは-E.ブロイラー精神医学書から

統合失調症の基本転帰
*原著では統合失調症ではなく精神分裂病と記述されている

統合失調症の発生頻度

40歳までに人口の1%が発症する
あらゆる文化において、どの時代においても発症している
苦難や戦争の時期の方が平和な時期に較べて発生頻度は高くならない

統合失調症の発症時期

統合失調症の大部分は思春期と40歳代の初期の間に顕症となる
思春期前に明らかになるのは全患者の1%以下と稀
30歳以降は羅病率は低下する
女性では、閉経期に発生頻度がわずかに上昇する
40歳代以後に発症した統合失調症では慢性の経過を辿るパラノイア型が多い

発症前

感受性が強く、引きこもりがち、個人的な関係および関心を持たなくなり、昔、僅かに接触した抽象的知識を弄び、訳の分からない心気症的観念を作り出し、自分の仕事や家庭内で果たすべき義務において段々と失敗するようになる。彼らは神経症の場合に出現するような多彩な症状を示す。

経緯と予後

慢性に発症するより急性または亜急性(2日~3週間)に発症することが多い
全体の3分の1が緩徐に数年の経過のとって慢性的に発症する
最重症の慢性状態においても、高度な脳萎縮における痴呆とは全く異なる
統合失調症そのものによる致死は報告されない
患者の1から5%が治療や突発的な衝動行動、薬物の副作用のために致死に至る
症状は波型の経過をとる。
急速に発症し、波状の経過をとる統合失調症の大多数は、持続性あるいは一過性に治癒するが、一方、直線的-慢性に経過するものが完全に治癒することは極めて稀である。

平均的には(個々の事例については大いに異なるが)、本症は発病後5年以後はもはや悪化することはない。これとは逆に多くの患者は発病後何年も経過してもなお改善を示し、時には何年もの後に再び健康となることもある。
発病後5年間またはそれ以上経過したあとにも、患者のおよそ3分の1はなお急性の改善と悪化を示す。5年間に多少とも安定した状態に達した人の内のおよそ3分の1は持続的に治癒し、3分の2は慢性の障害を示す。この後者のうちの約4分の1のみが極めて重症の慢性精神病に罹る。
(治療法の無かった時代、1940年の統計では急性に発症した統合失調症のうち10から15%に、急性の統合失調症がなんらの改善もなく一生にわたる長い羅患に移行した。)

統合失調症の自然転帰

1.単純な経過
・急性発作から重症慢性状態へ ほとんど無い
・慢性から重症慢性状態へ 5-10%
・急性から軽症慢性状態へ 5%(程度)
・慢性から軽症慢性状態へ 15-25%
2.波状経過
・波型から重症慢性状態へ 5%を超えない
・波型から軽症慢性状態へ 20-25%
・波型経過の後治癒 35-40%
3.その他の経過 5%


治癒

統合失調症の悪化後(重症の患者)に医学的な治癒があるかどうかについては異論がある。
以前患者であった人が完全に就労可能となり、彼等自身も気分良く感じ、近親者に健康であるという印象を与え、医師による経過観察においても精神病的現象がもはや証明されないという意味での治癒はしばしば認められる。しかし、以前患者であった人は、疾患があった時の出来事を主観的に判断し、彼らが客観的に望ましいと思われる”病識”に達することは稀である。妄想に近い、現実から遊離した態度は存続している。分裂気質や温かさやリーダーシップを欠く、奇妙な本態がみられる。しばしば過激で易刺激性のままである。しかし、これらの後遺症は、その大部分があらゆる精神病であった最中の不気味で恐ろしい体験の心理学的に了承可能な結果である。これらは、治療後における社会的状況の変化の結果であることもしばしばある。近親者は及びその他の人々は彼らを不信と不安をもって迎えることがしばしばである。多くの場合、彼は地位を失っており、離婚されてしまっている。我々はこれらから直ちに”欠陥”および統合失調症が慢性に存続していると解釈することが内容に注意しなければならない。
軽度の慢性状態では、多くの患者は妄想観念および幻覚、滅裂思考にもかかわらず、社会的にはなお有能で、就業可能である。

個々の患者の予後について考慮すべきこと

1.急性発症は予後的には、慢性発症よりも遥かに良好である。ある患者がすでに幾つかの急性発作を上手く乗り越えてきている場合には、その後の発作にも上手く耐えるであろうという希望は大きい。
改善あるいは治癒後の良好な状態が長く持続すればするほど、再発の可能性は少なくなる。
女性では、閉経期及び出産が軽度の再発リスクを形成する。
長く持続する慢性状態でもなお改善することはある。完全復帰することもあるが極めて稀である。

2.全ての意識混濁状態(急性外因反応型に似た)及び強度の躁またはうつの色彩を帯びた病像は比較的良好な予後を示す。分裂性思考が分別の状態で固定化されている時は、その予後は不良である。一過性で、二次的な症状(気分失調、興奮、昏蒙、幻覚)の背後で分裂性思考及び情動障害がより強く表出されてくる場合には、予後は比較的悪くなる。精神反応性特色により、病像がはっきり染め上げられること、患者の生活状況からこれが比較的了解可能である場合は、急性症例ではむしろ予後は良好である。慢性の経過では症状は当初神経症とほとんど区別できないのに、疾患が直線状に進行するのが良くみられる。

3.精神病前体質。健康な精神病前人格は治癒、および周期性で穏和な経過への素因となる。一方精神病前人格が病的な場合には予後が暗い。もちろん、体質と経過との間の関連性は多数例についての統計的観察でははっきりしているが、しかし個々の例については常にそうであるとは限らない。

E.ブロイラー 内因性精神障害と心因性精神障害(精神医学書Ⅲ)より
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  1. 2014/06/06(金) 13:20:14|
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